
今回紹介するのは、15頁〜18頁まで。ここではペリカノール(Pelikanol)が紹介されている。日本に輸入されていたかどうかは定かではないが、海外から容器を入手してみたところ、中身は接着剤だった。Pelikanolが接着剤製品の名前なのか、あるデザインのシリーズに付けられた名称なのかは明らかではない。拙者は長らくペリカン製の接着剤の名称だと信じていた。attempto(1477番)しゃん、いかがでしょう?
左側画像の愉快な顔のペリカンと右側画像の目つきの悪いペリカンの対比がおもしろい。ひょっとすると、右側画像のペリカンは飛び立とうとするも、お尻の先端部の羽がペリカノールで地面に接着されて飛び立てなくて困った顔になっているのかもしれない・・・・

ここからは1906年からの歴史になっているらしい。独逸が二度の戦争に入っていく歴史、そして何よりPelikanの萬年筆が出来上がっていく年代じゃ。元々【Made in Germany】という刻印は、品質の良い英国製品と間違わないよう、欧米列国から独逸が強制されたものだという噂がある。すなわち、【これは独逸で作られたものであり、英国製品のように品質の良いものではありませんので間違わないように!】という意味が込められた、屈辱的な刻印であったとか。
そういえば【Made in Japan】も【安かろう悪かろう】と同義であった時代もあった。両国とも、その屈辱を覆そうとした技術者の意志が、言葉の評価を逆転させたのじゃ。けっして政治や金で獲得した物ではなく、名も無き技術者たちの意地が成し得た成果!頭が下がる・・・
右側画像はタイプライター・リボン。現代にあてはめれば、インクジェットプリンターのインクタンク(キヤノンの呼び方)。消耗品だがずいぶんと立派な缶やケースに入っている。一番左端の缶は今回初めて出会った。欲しい!
☆☆ ここからがattempto(1477番)しゃんからのコメントから転記したものじゃ!
こんばんは。今、ドイツに来ております。一昨日、バーゼル(すいません、これはスイスですね)の骨董屋で万年筆がないか聞いてみたところ、ちょっと前に来た客が在庫していた15本全部を買っていったため一本もないと言われました。いるんですね、そんな客が・・・
さて、文章を読んでみたところ、Pelikanolは接着剤の商品名で間違いありません。アーモンドオイルが混入されていたため香りの良さも自慢のペリカノールは、1960年代までドイツでの接着剤売り上げトップ。1972年にヘンケルが接着剤市場に乗りだしてからペリカノールは売り上げ激減、1991年に商品リストから消えたそうです。
1913年の絵はがきのキャプションはBromfieldさんのコメント通りです。「世界に冠たるペリカン・インク」の売り文句で世界中にペリカンのセールスマンが進出した時代のものだそうです。