2011年09月26日

月曜日の調整報告 【 Pelikan Blue o' Blue 18C-BB 掠れる、引っかかる、太すぎ ならば・・・ 】

2011-09-26 01この Pelikan Blue o' Blue は、現在最も気に入っている萬年筆。かなり人気があるようでペンクリにもしょっちゅう登場する。登場するということは、書き味調整の要望が多いとも言えるが、軸色の美しさが全てをカバーしてくれる。

それに書き味は調整でなんとでもなるが、軸の美しさは持って生まれた素質で、調整で変えられるものではない。秋にはM600ベースの Green o' Green も発売されるらしい。M600は唯一苦手なPelikanだが・・・きっと複数本購入するだろうなぁ・・・
 
2011-09-26 02今回の依頼事項は、書き出しで掠れる、引っ掛かる、もう少しスムーズに書けるように、さらにはもう少し字幅を細く!ということ。(それにしても現行M800のペン先の横顔はグラマラスで美しい!)

実はヌラヌラの書き味に憧れてBB付きを購入したそうだが、上記のようにこりごりのご様子。では極太ヌラヌラ調整か?といえば、そでもなさそう。このままでも字幅がありすぎて持て余し気味らしい。

2011-09-26 03といってBBからMに研ぐには1時間以上必要で、綺麗に仕上げるにはさらに数時間かかる。そこでMと交換しては?ともちかけると予想通りOK!とのお返事。

単純にペン先を捻って交換したところで、調整講座としてはおもしろくないので、アレコレ書き味を作り出していくことにした。

2011-09-26 042011-09-26 05左側がBBニブ付きを上から見た画像で、右側は調整後のMニブ付きの画像。明らかに首軸に押し込まれたペン先の長さが異なっている。

これはソケット固定溝の浅い方で固定したから。深い溝と浅い溝があり、オリジナルは深い溝に押し込んであるが、比べてみると右側の方が美しいので、浅い方を選択した。これがEFのUEF研ぎなどの場合は、深い方の溝で固定する。拙者の中では寝かせて書くシチュエーションではペン先を出し、立てて書く場面ではペン先を押し込む設定にしている。

2011-09-26 062011-09-26 072011-09-26 08こちらは、BB、研磨前のMニブ、研磨後のMニブのペンポイントの画像。真ん中と右側を比較するとわかるが、元々は丸研ぎであったのを角研ぎ風の形状にしている。

これはピントを合わせるためじゃ。目が書き位置と感じているところと、実際にインクが紙に付く位置が若干違う・・・という事に敏感な人向けの調整では丸みの先端部を落とすのじゃ。

右側だけ赤色っぽいのはペン先をお辞儀させたから。背開きを調整するために多少お辞儀させている。このお辞儀にもピント調整の効果がある。

2011-09-26 092011-09-26 10こちらは横顔。左はBB付きで右は調整後のM付き。太さは違うが元々は似た形状だった。それに対して右側は、腹側を大きく削り、天頂部(画像ではペンポイントの右端)を平たくしてStub調の字が書けるように調整した。

拙者のStubはEF/F/Mから研ぎ出す事が多いが、この程度のペンポイントの大きさならStubとはいえ、書き出し掠れは発生しない。その割にシャキっとした書き味になるので実に評判が良い。

英語筆記するならオリジナルの丸研ぎのエッジを落とすだけで良い。しかし日本語を少しでも綺麗に見せたいと望む場合にはStub調の方が良かろう。なにより書いていて気持ちが良い。ヌラヌラではあるがシャキシャキとした歯切れも良い書き味なのじゃ。機会があればお試しあれ!


【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1h 修理調整2h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間


Posted by pelikan_1931 at 06:00│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 
この記事へのコメント
嬰啓_221さん
まったくその通りです。寝かせて書くと現行ペリカンのニブを少しお辞儀させらのが拙者には最も合っているようじゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2011年10月02日 14:53
スタブと軽めのポスティングを複合させたような形で、「硬くて滑らか」な現行ペリカンの醍醐味を楽しむには、優れた調整法なのかもしれませんね。
Posted by 嬰啓_221 at 2011年09月29日 18:24