本日紹介するのはPelikan M1005 Demonstrator。左画像の下。上は比較のためのM800 Demonstrator。
拙者はM1000やM1050は手に合わず、限定品以外は全て手放してしまっていた。ところが今年の世界の万年筆祭りで、Pelikanのコーナーにいらしゃった山本さん個人所有のM1005 DemonstratorのEFを試筆させてもらい、その書き味の虜になった。
今までは3Bかキングコブラ仕様のM1000/M1050しか使ったことがなかったので、正直EFの書き味にまいってしまった。その場にはM1005のEFは在庫が無かったので、いつかは・・・と考えていた。
現在、国内販売店で入手したものを1本所有しているが、今回海外から追加で1本入手した。今回紹介するのは海外から入手した方。多少問題がある。ペン先と首軸との関係では、拙者の趣味からすればやや押し込みすぎ。またペン芯とペン先との関係でいえば、ペン芯が前に出すぎている。
M1005は非常に長い萬年筆なので、キャップを後ろに挿して使うのは、過去の経験では、手に合わなかった。
未調整のまま水をつけて書いてみたのだが、世界の万年筆祭りで体験した山本さんのEFとは大違い!山本さんは研磨はしていないとおっしゃっていたので、これは位置調整の問題であろう。そこで、まずはペン先とペン芯の状態を好みの状態にセットし、そのまま首軸に突っ込む。その際に、ペン先と首軸の位置関係が好みの状態でとまるようにするのが熟練の技。
その状態でやや背開き気味だったので、ペン先先端部を少しだけお辞儀させるように曲げて背開きを解消した。M1000系のペン先は非常に柔らかいので、ちょっと力を入れると思い通りの曲がり方をしてくれるのでありがたい。
もっとも不用意な力がかかるといとも簡単に曲がってしまうので、けっして強筆圧の人に貸してはならない!
試してみると実に良い感じになった。ただ拙者が使うには多少の研磨が必要ということで、5000番の耐水ペーパーで少しだけスリスリしたところ見違えるような書き味になった。大成功!