2011年12月15日

筆記具関連四方山話 【 Pelikan M800 の コストカット穴発見! 】

2011-12-15 01未使用のまま本数だけが増えていくM800のペン先調整をしようと、M800 18C-3Bニブ(子ペリカンが1匹の最新型)を分解したところコストカット穴を発見!なんだか少しうれしくなった。鷹揚な企業風土と考えられていたPelikanも少しはコスト意識はあるんだ・・・と安心した。

ペン先を自社生産に切り替えたという噂があって以降、Pelikanのペン先にはかなり頻繁に変更が加えられている。

角研ぎが超丸研ぎになったり、子ペリカンの模様が単なる【くく】からイラストになったり。ではそのペン先模様とコストカット穴の関係を調べてみようと思い、最近入手したM800のニブを分解してみた。

2011-12-15 02基本的に子ペリカンが【くく】の個体にはコストカット穴は空いていない。

ではイラストの子ペリカンのニブではどうかといえば、左から2つのEFニブや、右から4つめのBBニブでは、コストカット穴は無い。

ということはコストカット穴はつい最近のモデルから出来た物と推察される。書き比べて見たが、ソケットへの固定具合やゆるみなどは一切無かった。コストカット穴は珍しい物ではなく、PilotやMontblancは古くからやっていた。それについにPelikanも追随した。

昨今の金価格の上昇が、コストカット穴を空けるような設計変更や工作機械の変更費用を超えるとの判断で行ったのであろう。経営判断としてはしごくもっとも!

願わくばどこかのメーカーのように【インクフローを改善するための改良です・・・】なんて言い訳せず、【金価格が上昇してもお客様のご負担を増やさないための苦肉の策です】と胸を張って言って欲しいものじゃ。

ちなみに左から3つめと右から3つめが角研ぎで、それ以外が超丸研ぎ。

超丸研ぎはEFであっても大きなペンポイントになっている。従って調整を前提とすれば調整範囲が広くとれるので、調整師としては大いに楽しめる!



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 
この記事へのコメント
本日は、この記事に対して中国からのアクセスがすごい!
Posted by pelikan_1931 at 2011年12月17日 22:52
急にアクセス数が上がったので調査したら、各国の万年筆関連の頁で、この画像が参照されているようだ。海外でも知られていなかったのかなぁ・・・
Posted by pelikan_1931 at 2011年12月17日 03:21
嬰啓_221さん

重ねてみましたが、長さは一緒でした。
全てバラしてから調整しないとリスクがあるのは事実ですね。
Posted by pelikan_1931 at 2011年12月15日 20:31
コストカット穴がついた最近のものは、ペン先の全長が多少長くなったように見えますが、このことがインクフローやペン先の保持力にどう影響を与えているのかが気になるところです。

このような微妙な変化が、それまで定石とされていた調整法(ペン先をやや前に押し出して組み付ける師のセッティング等)に変更を強いるものかもしれぬ故、メーカーの報告なき仕様変更には、十分気を配らねばならないと反省する次第であります。
Posted by 嬰啓_221 at 2011年12月15日 18:03
母ペリカンの顔を見ると、雛が2羽のものは目を開いているように、雛が1羽になったものは目を細めているように見えますね。

一人っ子は殊更にいとおしい、ということでしょうか。

Posted by TorPelikan at 2011年12月15日 14:09