未使用のまま本数だけが増えていくM800のペン先調整をしようと、M800 18C-3Bニブ(子ペリカンが1匹の最新型)を分解したところコストカット穴を発見!なんだか少しうれしくなった。鷹揚な企業風土と考えられていたPelikanも少しはコスト意識はあるんだ・・・と安心した。
ペン先を自社生産に切り替えたという噂があって以降、Pelikanのペン先にはかなり頻繁に変更が加えられている。
角研ぎが超丸研ぎになったり、子ペリカンの模様が単なる【くく】からイラストになったり。ではそのペン先模様とコストカット穴の関係を調べてみようと思い、最近入手したM800のニブを分解してみた。基本的に子ペリカンが【くく】の個体にはコストカット穴は空いていない。
ではイラストの子ペリカンのニブではどうかといえば、左から2つのEFニブや、右から4つめのBBニブでは、コストカット穴は無い。
ということはコストカット穴はつい最近のモデルから出来た物と推察される。書き比べて見たが、ソケットへの固定具合やゆるみなどは一切無かった。コストカット穴は珍しい物ではなく、PilotやMontblancは古くからやっていた。それについにPelikanも追随した。
昨今の金価格の上昇が、コストカット穴を空けるような設計変更や工作機械の変更費用を超えるとの判断で行ったのであろう。経営判断としてはしごくもっとも!
願わくばどこかのメーカーのように【インクフローを改善するための改良です・・・】なんて言い訳せず、【金価格が上昇してもお客様のご負担を増やさないための苦肉の策です】と胸を張って言って欲しいものじゃ。
ちなみに左から3つめと右から3つめが角研ぎで、それ以外が超丸研ぎ。
超丸研ぎはEFであっても大きなペンポイントになっている。従って調整を前提とすれば調整範囲が広くとれるので、調整師としては大いに楽しめる!