2012年01月27日

一時期のSheafferのようなPelikan M800のペン先!

2012-01-27 0140日間におよぶ旅をして独逸から日本にやってきたPelikan M900 トレドに同行してきた、何の変哲も無い新品のM800に付いていたペン先がこちら。

今までに3BとEFではコストカット穴を発見していたが、当然のことながらFにもコストカット穴が空いていた。この穴がクリクリっとした眼に見えて、カワイイと思うなら、貴方はヘンタイに近づいている。拙者みたいに・・・・

穴が空くことによってペン先とペン芯との摩擦抵抗が少なくなって、ペン先の横滑りが増えるのではないかと心配していたが、穴の内径部分がペン芯にひっかかって、かえって滑りにくくなっているように思われる。けっして意図した設計ではないのだろうが。

2012-01-27 02ところが、この個体には問題がある。往年のSheafferのように、切り割りがズレている。ハート穴の真ん中に切り割りがきていない。

ペン先の刻印の頂点を切り割りが通っておらず、(左画像では)やや下にズレている。

各社のペン先製造工程の画像を見た経験では、ペン先に刻印を打つ、曲げる、ペンポイントを溶着する、切り割りを入れる・・・というような順序になっていたと思う(うろ覚えだが)。間違ってたら教えてね。

ということは切り割りを入れる際にペン先を固定する位置がズレているか、ペンポイントを溶着するときに、熱でペン先のカーブが曲がってしまい、位置固定がズレたかだろう。

2012-01-27 03切り割りだけではなく、ペンポイントの形状も歪んでいる。左画像の下の方がこぶのように腫れている。

この腫れが原因で切り割りを最初に入れる位置がズレたのではないか?真円のペンポイントだったら、即ち、腫れがなかったら、もっと切り割り位置は画像の上に入ったのではないか?

すなわちPelikanでは切り割りの位置を、ペンポイントの中央を目指して入れているということ?これはある意味、正しいといえる。コテコテのマニア以外はペン先をルーペで見たりしないので、切り割りが中央にあるかどうかなど気にしない。書き味が良ければそれで満足する。

実際、このペンポイントの書き味は未調整でも驚くほど良い。つまりはPelikanとしては出荷基準を満たしたペンポイントと判断したのであろう。

ところが拙者には辛い!ペンポイントの形状異常や、スリットから両端までの長さの差は研磨によって解消できる。ところがスリットがハート穴の中央に入ってないこと、刻印とズレているのはなんとも気持ち悪い。

ほんの少しのズレなら我慢できるのだが、ここまで大きいと・・・悲しい。売り主とペン先だけ交換してもらえないか交渉してみることにする。これがあるから海外通販は(調整しない人には)難しいのじゃ。ペン先選定を運にまかせないといけないから・・・



Posted by pelikan_1931 at 08:08│Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 
この記事へのコメント

師匠

黒々しい軸の画像、拝見したいです
是非アップしてください

(^-^)

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Posted by きゃんでぃ小海老爺です@現在3本 at 2012年01月30日 20:10
きゃんでぃ小海老爺さん

この軸の地の部分を筆に浸ける燻し液で塗ると、青龍のような黒々しいトレドになります。さっそく自慢してます。
Posted by pelikan_1931 at 2012年01月30日 18:11

こんばんは。

本日、昨年からの懸案であった、
新しい天冠の Big Toledo M900 を購入いたしました。
神戸の某ショップさんです。
調整中に nib をしげしげと見ていましたが、
コストカット穴はありませんでした。

御報告まで。

(^-^)

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Posted by きゃんでぃ小海老爺です@今年の公約9本のうち現在3本 at 2012年01月29日 17:55
こんばんは
私の持っているM250にも不細工なペンポイントのわりに
書き味は良好というのがあります。
本国で買って未使用のままオークション出品というものでした

書き味いいのでそのまま使い続けるつもりです



Posted by hitahita at 2012年01月28日 23:21
5
ペリカン社のサイトにも行程が紹介されていました。

http://www.pelikan.com/pulse/Pulsar/ja_JP.CMS.displayCMS.96445./the-special-pelikan-quality

素晴らしいペリカンの品質・・・

大井町の師匠が、イリジウムに「鬆(す)」があるので研げない・・・と仰っておられたのを思い出しました。

http://members.jcom.home.ne.jp/can-do-now/fullhalter/pelikan_osirase2.html
Posted by masakipapa at 2012年01月28日 08:41
http://www.youtube.com/watch?v=EWhEytzwVmA&feature=related
の画像を見ると、ペン先を曲げて、ある程度研磨した後で切り割りを入れているが、位置固定はペンポイントでやっている。
従ってペンポイントは綺麗に等分されるが、ペン先にペンポイントが曲がって付いていれば、ズレた切り割りが入るということになる。
原因はペンポイントがペン先に溶着する際に、ズレでついたことになる。
映像では、そのズレを検査官がルーペで確認していることになっているが、それが見落とされたのであろう。あるいみ貴重な球かも?
Posted by pelikan_1931 at 2012年01月27日 13:29