2012年02月16日

筆記具関連四方山話 【 最近、M400がお気に入り! 】

2012-02-16 01拙者はPelikanが大好きだが、その中でもM800が大好物。M800 → M300 →M400→ M1000 → M600 の序列であった。ところがM1000のデモが出てM1000が一挙に2位に上昇したのが数ヶ月前。そしてM400にタコスペ・コレドMやタコスペ・超不細工を施しているうちに、M400が2位になった。

従って現在の序列は、M800 → M400 → M1000 → M300 → M600 となっている。(注:トレド系は省く)。これにナイアガラなどのM640を含めると、それが2位に入るのは間違いない。   

2012-02-16 02M800との大きさの違いは左画像のとおり。相似形かと考えていたが、少しだけプロポーションが違うような気がする。

画像のM800はW.-GERMANY の刻印がキャップリングにあり、ペン先はPF刻印とホールマーク(以前は伊太利亜刻印と呼んでいた)が入っている。

先日の九州地区大会@博多で、PF刻印付きのM800 18C-Fを調整したが、その書き味はすばらしかった。実はそれと同じような書き味はM800の現行品ではなく、M400の現行品から紡ぐことは出来る。拙者が使っているM400のタコスペ・コレドM調整をM400 14C-EFに施したものがソレじゃ。

ところが人工的に作り出した書き味は、どうしても元々持っている素質を凌駕することは出来ない。やはり似て非なる書き味しか出すことは出来ないなぁ・・・と痛感した。

しかし、その過程で、いままで少し軽く見ていたM400の潜在能力を再評価するにいたった。何故司法試験に最適な萬年筆と言われるのかも少し理解出来たような気もする。


2012-02-16 03M800とM400のバランスがどう違うのか知りたくなって、M400をM800の長さ(キャップから首軸先端まで)が同じになるように伸ばしてみると・・・

やはりM400の方が相対的にキャップが短いことがわかった。またペン先も小さく、幅も狭い。

もしM400の軸径をM800と同じになるまで拡大すると、ずいぶんと長い萬年筆になりそう。すなわちM800はM400に比べて、かなりずんぐりした萬年筆ということになる。

相対的に細くて長いが、実際には短い軸で書くとすれば、ペンを立てて書くことになり、首軸先端部を握ることになる。その時のバランスは・・・M400はすばらしい。試験のように、前のめりになって速記する場合は、柔らかいペンよりもある程度硬い方が疲れない。やはり経験に基づいたアドバイスというのは大したものだと感心した。

それと同時に、Pelikanがそれぞれのシリーズに、単なる大きさの違いだけではなく、用途に関する仮説を立てて作ったのだろうと思った。M800とM400の大きさが違いすぎるからM600でも作ってみるか・・・という安直な考え方では絶対になかったであろう・・・と信じたい。

2012-02-16 042012-02-16 05この丸研ぎになってからのペリカンのペン先は非常に調整しやすい。Fとはいえ大きな球なのだが、これを少ない金でうまくHoldしていると感心する。以前のオマスなどはペンポイントの何倍もある金でくるんでいたように記憶している。

1883年以降、大きな技術革新は無い・・・といわれている萬年筆の世界でも、地味な技術革新は絶え間なく行われているのであろう。もちろんコストカット穴もその一環であるのは事実だが・・・
Posted by pelikan_1931 at 12:40│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 
この記事へのコメント
だぶるさん
M405のシルバートリムは以前のプリント天冠が似合いますね。
Posted by pelikan_1931 at 2012年02月19日 09:48
だぶるさん

そうです。お辞儀によって堅さはいかようにでも調整可能です。
Posted by pelikan_1931 at 2012年02月19日 09:43
師匠が3年前ペントレに出されたM405ブラックシルバートリムFは実に書きやすいです。下町のペンマイスターKさんに見せたら、うん、なた研ぎのようだね、書きやすいでしょうと話していたのを思い出します。愛用の一本です。元司法試験受験生(^^)
Posted by モンブラン32年目 at 2012年02月17日 23:10
御教示ありがとうございます。
恐らく400の時代のものだと思います。
百貨店で現行のペン先を試筆させてもらったところ、現行のものの方がペン先が開き易いと感じました。
当方のものは、お辞儀により硬めに設定されているのかもしれませんね。
Posted by だぶる at 2012年02月17日 12:26
だぶるさん
#500のHEFか、400の時代のHEFかだが、後者なら現行の方が硬いはず。前者ならペン先の厚みしだい。
いずれにせよお辞儀具合を調整すれば、硬くも柔らかくも可能じゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2012年02月17日 10:17
Bromfieldさん
ペン先が円盤研ぎなら超不細工、丸研ぎならコレドM研ぎが良いでしょうが、いずれも時間がかかりますので飽き具合を見て。駄目なら預かりで。
Posted by pelikan_1931 at 2012年02月17日 10:15
当方も、長時間の筆記用に、400系の軸に硬いニブ(HEF)を選択して使用しています。
いくつか試した結果、これにたどりつきました。
ただ、筆記途中にかすれが生じ、師匠のブログを参考にスリット調整をしたのですが、なかなか上手くいきません。
是非、師匠に調整をお願いしたいです。
ところで、HEFニブよりも、現行のニブの方が硬いのでしょうか?
Posted by だぶる at 2012年02月16日 18:41
当方も、「座敷牢」と化した、ペン箪笥より、M405を出してきました。何故かペン先は、18C−Fが付いております。今度、名古屋に持って行こうと思うのですが、「超不細工」にしてやっていただけますでしょうか。
Posted by Bromfield at 2012年02月16日 14:41