
Pelikanのトレド系の萬年筆は限定品を含めると、数十本ほど未使用品を持っている。左画像の上のトレドは限定品ではないがずいぶん前に購入しペンケースの中で長い眠りについていたもの。胴体のバーメイルの金がしっとりとして良い感じになっている。こういうのはこのまま時間がエイジングしてくれるので放置しておけばよい。
拙者がわざわざ現行品にこだわるのは、酷使して彫刻のエッジがすり減った・・・疲れた感じのトレドにしたいから。ライカのブラックペイント物のエッジがすり減って地金が見えているような感じがいいな!と考えたから。
それにはもう一つ障壁がある。実は買ったばかりのM900は、地金の銀があまりに明るいグレーっぽい

銀燻し液を使って地金の銀を燻し銀化してあるのじゃ。今回使ったのは熱湯に数滴落とすタイプのもの。前回は筆で塗るタイプだったのだが、今回はこちらをためしてみた。
熱湯とはいえ、深夜電力を使う電気温水器のお湯なので、せいぜい85度程度。これに数滴燻し液を垂らすとオレンジ色の液が出来る。
その中にトレドの軸を入れて数秒撹拌すれば、地金の銀の部分だけが黒くなって良い感じになる。ここで液から出して良く洗浄し、タオルで水分を拭き取ると・・・あれ?前と同じように地金の色は明るいグレーに戻った・・・と悲嘆してはいけない。ここからがマジックなのじゃ。
この状態で、軸に大島椿のオイルか、ひまし油などを塗りたくったあとで乾いたタオルで油分を拭き取ると・・・、再び地金の部分が黒くなる!これが画像下側の状態。
地金の部分は製造後20年以上経過したモデルと同じ程度に黒くなり、金の部分はピカピカなので、コントラストが非常に強く、派手な印象となった。この状態で、毎日酷使し、金鍍金が少しずつ摩耗していくと、3年ほどで良い感じになるはず。今度はお嫁にやらないぞ!