Pelikan M800などは、それこそ500本以上は調整しているし、好きなペンポイントの形状も固定しているので、ものの10分も研磨すれば99%の書き味レベルに到達する。そこから先の1%を追求するのは野暮。1%の夢を持ったまま使うから楽しい・・・という境地にPelikanの場合は到達している。
一方で国産萬年筆は最近まで、所有はしていても実用する事はほとんどなかった。書き味にバラツキがあまり無いので一本使えばそれで満足と考えていた。
ところが中字を使うようになってスタンスが変わってきた。趣味文企画でペン先比較というのがあったが、あの時にPilot カスタム 67のSMで書いてみて、その書き味に魅了された。未調整のまま使っているうちにこういう書き味になったと聞いた。
そこでPilot 742を1年ほど未調整で使ってみているが、書き味はほとんど進化しない。しびれを切らせて一位の木を購入し、微調整を施したら、インクを入れている中でNo.1の書き味になった。それまでNo.1だった島桑を凌駕した!
一方の島桑は萬年筆研究会【WAGNER】での試筆攻撃ですっかり調整が狂って書き味が劣化した。これは狙い通り!
何故かセーラーは大勢の人によって調整を狂わされた物を再調整する・・・という作業を繰り返すと書き味が進化する。島桑もつい先ほど、元より少し書き味が良くなって復活した。それでも一位の木にやや及ばないかなぁ・・・というところなのだが、一位の木にトラブル発生。軸にインクが染みている!あわてて超電解水で擦って98%ほどは落とし、再度油性のワックスをかけておいた。
島桑は他人の書き癖の影響を受けやすく。一位の木はインク汚染の心配がつきまとう。萬年筆としては島桑の方がおもしろいのだが、いずれもペンポイントがMなので太字好きとしては飽きてくる。


このWAGNER 2008にプラチナ・カーボンインクのカートリッジが最高の組み合わせであろう。
これを再投入すれば、パイロット、セーラー、プラチナのトップレベルの萬年筆が揃う。このトリオなら、PelikanのM800やトレド軍団と互角に戦えるかもしれない。敵は手強いがな・・・