水曜日の調整報告 【 Pelikan 400NN 茶縞 インク漏れ・・・ 】
今回の依頼品はPelikan 400NN 茶縞。400NNで数が多いのは緑縞と茶縞だが、ひょっとすると茶縞の方が多かったのか?と思うほど茶縞に出会う確率が高い。
茶縞と緑縞を比べると、キャップや尻軸も茶色な分だけ、茶縞の方が好ましいと思える。
もし緑縞モデルのキャップと尻軸が緑の物があれば魅力的だなぁ。ひょっとするとあったのかもしれないが・・・ あれは400だったかな?
症状としては;
・つまりやすい
・引っ掛かる
・尻軸からインクが漏れるというもの。
ペン先のスリットは多少詰まっているがインクフローにはさほど問題は無い。
ただ画像ではわからないがペン先とペン芯との間に隙間がある。その隙間をなくせば、インク途切れが収まるので、
つまりやすいという症状は治るであろう。
つまりやすいのではなく、
インク途切れが、正しい症状表現であろう!
ペン先の引っ掛かりは、この拡大画像を見て分かった。
エッジの処理が甘いので、段差があるうえに、先端部でも腹でも多少引っ掛かる。
こちらは、1200番、2500番の耐水ペーパーで研磨した後で、秘密のペーパーで仕上げ。
それによってインクフローも書き味も格段に向上した!
ただしペン先とペン芯をHoldする力が弱い。オリジナルのエボナイト製ソケットを数個取っ替え引っ替え付け替えてみたが、全てが緩い!
そこで現行品のソケットに交換してやっと緩いのが収まった。ねじ穴は互換製はあるが、径は現行品の方がわずかに狭いらしい。大成功!
インクが尻軸から漏れる症状は、弁が劣化していることしか考えられない。
今回弁を外してみると、弁を固定するプラスティック部分も劣化していた。
また弁自体も表面が劣化し、インクが後ろに回りやすくなっている。
そこで弁とそれを固定する棒を代替品と交換した。
この白い弁は個別に販売しているらしい。
今回は軸+弁の交換となった。
ここまでは問題も無くスムーズに行った。書き味も絶妙になった。
ところが、この萬年筆を預けた前回のお宮大会へ初参加された方が、
会員本登録を
されていないままなのじゃ。
果たしてこの萬年筆は保護者の元へ帰れるのだろうか?
【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1.5h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
Posted by pelikan_1931 at 07:00│
Comments(4)│
mixiチェック
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萬年筆調整
あぷさん
gmailの方に送りました。
いずれにせよ御徒町にて!
こんにちは。
恐らく上記の万年筆をお願いしました者です。
この度は、ありがとうございました。
あれから、時折HPを拝見しておりました。
恐らく私の記載したメールアドレスが間違っていたのだと思いますが、(只今念のため再確認しましたが)本登録用のメールが届いていないようです。
いかがすればよろしいでしょうか。
ちなみに、来月の御徒町に参加させて頂く予定です。
宜しくお願い致します。
クマサン
Montblancは戦前モデルと、60年代が持ち込み禁止です。それ以外はOK!
さすが師匠
見事としか言い様がありません。
時に、京都で出品しようと思っていたモンブランの一本、尻軸がえらくインク漏れしています。でも、モンブランのビンテージは「修理不可」ですよね。