2012年07月26日

筆記具関連四方山話 【 Pelikan トレド 疑惑? 】

12最近、ヤフオクの説明の中で、Pelikanのトレドが手彫りから機械彫りに変わったという記述を見つけた。
最近のPelikanのペンポイントのいきなりの丸研ぎへの変更の経緯などから考えて、ひょっとすると・・・という感じもしたので、調べて見ることにした。
出来るだけ最近発売されたトレドを3本海外から入手し、その図柄を比較検討して見た。
左側画像の下の番号を見る限り、また彫りの特徴を見る限り、右側の2本は同じ作家と思われる。
そして今まで拙者は気付かなかったのだが、作家による彫りとはいっても、彫刻刀で溝を掘っているだけで、大きなPelikanの姿や草の形状は全て同じ(機械彫り?の誤差の範囲)。
すなわち、作家による彫りというのは、ペリカンの外径や下のサイコロ模様などを彫っているのではなく、彫刻刀でクイクイと文字通り彫りを入れているだけ!
今までは、外のペリカンの姿も手彫りだと考えており、その気の遠くなるような工数に比べればトレドは格安!だと考えていたのだが、400個に満たない線(曲線含む)をクイクイと彫っていただけだとわかった!少し嬉しくなった。最初から全て彫ったのだとすれば、どうあがいても日本の職人のコストでは太刀打ちできないと考えていたが、線彫りだけなら、慣れれば拙者でも出来そう。外径だけで彫りが入っていないトレドを発売してくれないかなぁ。そこに自分で溝を彫ってみたい!

3ふと、では神話シリーズはどうかな?と考えた。神話シリーズはその線の複雑さ、触ったときにゴリゴリ感から、おそらくは100%機械彫りだと予想はしていた。不愉快なので、敢えて調べてみようともしなかったのだが、今回、どうしても調べて見たくなった。
まずは、(クマサンが捜している)白虎を2本比較してみたが、図柄はまったく同じ。ところどころで線の太さに違いはあるが、誤差の範囲。
詳細にルーペで確認してみたが、手で掘った部分は発見できなかった。
ではということで、麒麟、玄武もルーペで確認したが、やはり手彫り部分は拙者の眼では発見できなかった。

4567ところが、朱雀には左画像のように手彫りの部分がいっぱいある。
しかも彫りの形状や深さも全く違う。これはおもしろかった!
では・・・ということで青龍を見てみると、こちらも手彫りの部分がいっぱいあった。

あれ? 早い時期からプレミアム価格になっている青龍と朱雀には手彫り部分が有り、定価割れしていた(今は高騰している場合もある)白虎、麒麟、玄武は100%機械彫りかぁ・・・
無頓着だったのは拙者だけで、皆さん手彫りの価値を知っていたからこそ朱雀と青龍がプレミアム価格になっていたんだぁ!
単にトレドが手彫りであることを証明しようと、思い立っただけなのだが、
(1)トレドであっても形が決まった紋様に、400に満たない手数の彫りをほどこしているだけ
(2)価格が高騰している
青龍朱雀は、機械彫りと手彫りのハイブリッド
(3)価格が高騰しなかった
白虎麒麟玄武は100%機械彫り

だとの発見があった。

青龍と朱雀以外の限定品で手彫りがあるかどうかを確認すれば、今後の価格動向の参考になるかもしれませんな。

ちなみにコンチェルトは価格は安いが手彫り部分がありましたぞ!相場が上がらないことで有名なゴルフには、当然手彫り部分は無し! 

ちなみに手彫りの手数が一番多いのは普通のM900トレドだと思われます。今度じっくりと彫りの数を数えてみます。
もっとも彫る人によって数に差があるので普遍的な数ではありませんが・・・

Posted by pelikan_1931 at 10:10│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 
この記事へのコメント
趣味の文具箱19のp.65にエッチングでアウトラインを作っているという記載がありますね。
Posted by たかだ at 2012年08月22日 20:17
ポンちゃん
それこそ、ご自分で彫りたいでしょうね!
Posted by pelikan_1931 at 2012年07月27日 09:37
僕の700トレドは、職人がノリノリで彫ったのか、
彫りが黒い部分まで突き抜けてしまっているところがあります。
ちょっと切ないです。
Posted by ポンちゃん at 2012年07月26日 23:09
そうです、トレドのペリカンはアウトラインをエッチングで出し
ペリカンの目や口や羽模様を丸彫りと線彫りのたがねで
押し切りしメッキをかけています、
いわゆるトレドの象嵌細工とは全く違うものです。
御自分で彫るのにはかなりの練習が必要ですよ。
Posted by 猿坊 at 2012年07月26日 21:08