2012年09月01日

テストの珍回答 その13

拙者は最近、小学校、中学、高校で実際に行われた試験での珍回答に涙している。そして自分でも正解できない問いや、同じような間違いを犯しそうな問題も数多くある。
そこで、不定期ではあるが、【テストの珍回答】を紹介しよう。

問いと模範解答を最初の頁に、珍回答をつづきの頁に記す。


1:
 英語:次の英文を和訳しなさい。 (東京都の中学校) 
      【She is as tall as he is.】           

解答→
   彼女は彼と同じくらい背が高い。  
いまどき、こんな日本語使わないと思う。ちなみにGoogleの翻訳にかけてみると・・・【彼女は彼に劣らず背が高い。】と出てきた。日本語のニュアンスとしてはこちらが正しいと思う。
ただ、【彼女は彼に劣らず背が高い。】と訳した時に、先生は〇をくれるのだろうか?
もし一人でも×をつける先生がいたら、日本の英語教育は根本から見直さなければなるまい。
珍解答は、tallを他の単語と間違えて苦し紛れに訳したのであろう。 


2: 英語 次の英文を和訳しなさい  (東京都の中学校) 
      【I happened to meet him there.】   
  
解答   私は偶然そこで彼に会った。
私は偶然そこで彼に会った。】をGoogle翻訳にかけると、【I met him there by accident.
いずれにせよ、この短文自体を日本訳することに意味があるのか?私って誰?彼ってだれ?thereって何処?会ったのは何時?なんて状況説明がないと、会話や説明文として使えない。
どう考えても日常的に英語と日本語を並行して使っている人が作った問題ではなさそう。試験問題を作る際に最も気を使うのは採点の容易さだと聞いた。そりゃダメでしょう。
特に英語はシチュエーションの説明無しに訳させるのは非論理的だ長寿と繁栄を


3:
英語次の英単語を日本語に直しなさい。 (鳥取県の高校) 
      【human right】  
 
 
解答   人権
Human rights なら 人権 が正解だが、human right なら【人間の権利】と訳すのが普通ではないかなぁ・・・。人間には権利が一個しか無いわけではないからな。

これも文脈の中で表さないとダメな問題。問題作りの時間削減を狙った安直さが不愉快じゃ! 
英語教育の原点は単語を教えることだけではなく、文化をも理解させることじゃ。面倒ではあるが、がんばって欲しい!


4:英語次の文を英語に直しなさい。 (北海道の高校) 
   【Mrs. Green is from Los Angeles.】       

解答   グリーンさんはロサンジェルスから来ました。
え〜!拙者の少ない経験ではこの英文は、【グリーン夫人は、ロサンジェルスの出身です。】と訳すべきだろ!
来ました・・・と過去形にしているが、質問は現在形。すなわち、この模範解答は間違っている?
しかし、珍解答はさらに間違っている。

1: 英語:次の英文を和訳しなさい。 (東京都の中学校) 
      【She is as tall as he is.】           

珍解答
   彼女は彼のシッポをつかんだ。  
回答者はtalltailを間違えたのだ。文法を理解していれば形容詞と名詞を間違えるはずはないのだが、中学生で文法など理解している生徒の方が少ないだろう。拙者も社会人になって英会話学校に行って初めて理解出来たくらいだからな。

それにしても、つかんだというのはどの単語が表現しているのだろう? そう考えると、この回答はあまり頭の良くない子の回答。
それを珍解答に取り上げた投稿者もノータリン。さらにクルクルパーはこれをこのBlogに取り上げた拙者じゃな。ああ、自己嫌悪! こっちもクルクルパー? <===大音声注意!


2: 英語 次の英文を和訳しなさい  (東京都の中学校) 
      【I happened to meet him there.】   
  
珍解答   彼と会って、私の幸せはハッピーエンドしたの
happendhappy end と思ってしまった事による悲劇! I happy end to meet him there.をGoogle 翻訳にかけると・・・【私が彼を満たすためにハッピーエンド】となる。
問いではIが男性か女性かわからないが、珍解答では明らかに女性となっている。
実は、ここが一番重要なのじゃ。
なんであそこをアイツと一緒に歩いていたんだ!】 と女性が問い詰められた時の必死のいいわけなのか?
なんであそこを彼と一緒に歩いていたの?】 と男性がホモ達に泣きつかれた時に誤解を解くための真実の話なのか?
それによって、超訳は変える必要がある。だからこそ状況説明が求められるのじゃ。
もっとも後者を中学生に説明するのは難しいがな・・・


3:英語次の英単語を日本語に直しなさい。 (鳥取県の高校) 
      【human right】  
 
 
珍解答   人間の右
human right ってそもそも単語なの?複数の言葉が特殊な意味を持つとき、それは熟語とよばれるのではなかったかな? 
文脈訳である必要が無いなら、【猿は左!、人間は右! 】という号令の一部だとでも言い張れる。猿の惑星の中に出てきそうな表現じゃな。
受けを狙うなら【右翼】 とか・・・


4:英語次の文を英語に直しなさい。 (北海道の高校) 
   【Mrs. Green is from Los Angeles.】       

珍解答   みどりさんはロサンジェルスから来ました。
Greenが名前なら略しても情状酌量の余地は5%程度はあるが、ここではGreenは姓でしょ?ならミドリと訳せないのがわかるであろう。

しかし、どうして断言できるのかな?Mr.Greenはロス出身だとおっしゃってます・・・程度が正しいのでは?
本人が言っていることを100%信じないようにしましょう!というのも外国語を教える際の味付けなので、この訳文を使ってディベートをやる訓練をするのも面白い。

Posted by pelikan_1931 at 14:00│Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 先人の教え 
この記事へのコメント
human right を、何の疑問も持たずに人権と訳した私。皆様の英語レベルには追いつけないかもです。

ところで、She is as tall as he is. は、She is tall. He is tall.
つまり、両者共に背が高い。だけどもしかしたら、それは、そう表現する人にとっての主観で、She is as tall as he is. と表現しても、両者が同じ程度に背が高いとは言えない可能性もあるのでは?

要するに、両者の背丈には実際には(結構な)差があるかも知れないのだが、両者は、そう表現する人にとっては、どちらも背が高いことに変わりはない、というニュアンスを含んでいるとは言えないでしょうか。

語学には、これのみが正答というのはないというのが持論ですが、私が答えを書くなら「彼女は彼と同様に背が高い。」とすると思います。
Posted by monolith6 at 2012年09月04日 16:35
やっぱり太字が好きさん

やはりそうですかね!
アマリロ出身のプロレスラーであるテリー・ファンクが30年以上前に初来日した際、【なんでみんなピストル・ヘアーじゃないんだ?小学校の教科書で日本人はピストルヘアーだと習った】と言ったそうです。
ちょんまげがピストルを逆にしたような髪型だからでしょうが、小学校で日本人はちょんまげだ!というのが、日本に対するテキサスの片田舎の常識なんだとあきれたことがあります。米国にとっては日本は極東の一小国なのでしょう。
Posted by pelikan_1931 at 2012年09月03日 07:45
紙様さん

飛雄馬の右腕が最高です!
Posted by pelikan_1931 at 2012年09月03日 07:40
 その場面次第ということになるのは、私よりよくご存じのはずなので、他に何もないのですが・・・
 「出身はどこ?」にどう答えるかは英語の問題ではなく何語でも同じですが、相手が一般のアメリカ人だとすると岡山は無理かなあ(そもそも、英語で話す相手がアメリカ人とかイギリス人、という想定自体が特殊ですが)。アメリカで、私が日本の西の方に住んでいると知っている韓国人と「釜山は東京に行くよりはるかに近いからねえ」という話をしていたら、そばで聞いていたアメリカ人がI'm lostと言ってました。日本の通貨が円だということを知らない人も普通にいるし。
 私が滞在したことのあるアメリカの小さな町出身の人に日本で会ったことがあり、「どこの州? どのあたり? えー、その町の○○通りに住んでいたよ。角を曲がったところにパン屋があるだろ?」というようなこともありますが。その人も、最初は「アメリカから来ました」しか通用しないと思っていたはず。
Posted by やっぱり太字が好き at 2012年09月02日 10:11
チーン・・・解凍

1・ She is as tar as he is

   彼女は 彼同様 煙草臭い。

2・ I happyed to meet him there

   あそこで彼に会えて幸せだ。
   
3・ Human right

   飛雄馬の右腕

4・ Mrs,Green is from Los Angels

   みどりさんは ロス出身の天使だ。

Posted by 紙様 at 2012年09月02日 09:48
やっぱり太字が好き さん

Where are you from? の質問に、いつも困ってました。どのレベルの解答をすればいいのかを。

日本と答えるのか、岡山と答えるのか、現在住んでいる東京と答えるのかを・・・
Posted by pelikan_1931 at 2012年09月02日 05:33
ちょっとだけ蛇足を。

1.She is as tall as he is.
 中学校のテストなら、【彼女は彼と同じくらい背が高い。】でもGoogleの
【彼女は彼に劣らず背が高い。】でも正解にしてもらえると思いますが、特定の場面でしか正解にならない、という点でどちらも厳密には△。「同じくらいの背丈だ」と言っているだけで、背が高いとは言っていない。

 面白いのは最後のisを省略していないところ。こういう場合は省略することが多く、さらにas が前置詞と認識されるようになって、She is as tall as himがむしろ普通の形。接続詞なのか前置詞なのか説明がややこしいことになるので、教科書ではそういうことには触れないでおくのでしょう。同じようによく使われるShe is taller than himではなく、...than he (is)の形を主に教えるのでしょう。She is now taller than she was three years ago(3年前より背が伸びている)のような場合とつじつまが合うのは後者ですから。

4.Mrs. Green is from Los Angeles.
「ロサンジェルス出身です」も「ロサンジェルスから来ました」も正解。
 ちなみに、Mrs. Green was from Los Angelesと唐突に言うと、グリーンさんは故人ということになる。しかし、I met Mrs. Green yesterdayに続けて、She was from Los Angelesと言うのはOKで、死んでいることにはならない。この違いを聞いて「お−」と驚く大学生はセンスが良い。

 長くなりました。この辺にしておきます。
Posted by やっぱり太字が好き at 2012年09月01日 16:27