左は本日万年筆談話室に持ち込まれた一本。中に入っていたインクが腐敗していたようで、かなり雑巾臭い。まぁ、これは洗浄すれば匂いは落ちるはずなのだが・・・
万年筆に付いた香料は意外と落ちないものなのじゃ。これが香(かおり)付きインクの怖いところ。
その昔に存在したリソーのプリントゴッコ用のインクはカーボンインクに墨の匂いのする香料が入れてあったのだが・・・
これを回転吸入式万年筆に一度でも入れると墨の匂いがどんなに洗浄しても取れなかった。
OMASの20万円以上する軸に入れてしばらく使い、インクを変えようとして匂いが消えなくて閉口し、誰かに差し上げた気がする。
この雑巾臭も取れるかどうかはわからない。OMASの時にはオーデコロンなどでごまかそうとしてますます酷い状態になったので今回は洗浄のみとする。多分大丈夫だろう。

困った症状として、書き出しでインクが出ないことがあるということだったので調べてみた。原因は見てわかるようにペン先のスリットがO脚状態になっていること。
従って毛細管現象が働かないので書き出しはインクが出ない。
ただし、少し振ったり、トントンとペンポイントを紙の上でたたきつけて一度インクがペンポイントまで降りれば・・・
あとは書く際にペン先が拡がったり締まったりというポンプ運動のおかげでインクが前に送り出される。
修理するにはペン先の曲がりを直せば良いのだが、本日は調整時間いっぱいになったので、お預かりした。
なにぶん1970年代18Cの貴重なペン先なので時間に追われて雑に直したくなかったのでな。
出来上がりが発売直後と同様に美しくなければ万年筆談話室の修理としては落第だと思っている・・・ちょっと言いすぎかな?