これも19年前の同日の記事だが、Pelikan 100Nはペン芯の径が太くなったことによって、ペン先が大きくなり金の量が増えたためペン芯は細い物に戻ったという説だ。
うーむ、一理あるな。戦時中の100Nはクロームニッケルニブ(CNニブ)を使ったからこそ生きながらえたのかも?
ちなみにCNニブって純粋なクロームニッケル合金製なのか、鉄にクロームとニッケルをメッキした物とどちらだったんだろう?
Pelikan 100Nが失敗作かも?という仮説を立てたらPelikanファンに怒られるじゃろうな。
拙者もついさきほどまでは、Pelikan史上に残る傑作の一つという文章を書こうとしていた。ただ、最近気になることがある。
ペン芯の太さが100や140/400NNなどと違うのだ。
100から100Nへの主力モデル変更が成功であったならば、なんで後続モデルのペン芯径を100と同サイズに戻したのか?
何か問題あったんじゃねえのぉ〜!という意地悪根性で検証してみる。先日100Nは傑作といった舌の根も乾かぬうちの暴言だが。
Pelikan 100は1930年ごろに発売され、1944年まで製造されている。一方で100Nは1937年から1954年まで製造されている。
400は1950年から1956年、400Nは1955年から1956年、400NNは1956年から1965年、400NN復刻は1973年から1978年に製造されている。
100の製造期間 :14年
100Nの製造期間 :17年
400の製造期間 :6年
400Nの製造期間 :1年
400NNの製造期間 :9年
400NN復刻の製造期間 :5年
こうして考えると100Nは最も長く製造された万年筆であり、最も成功した万年筆という評価が正しそうに見える。
しかし、400NNは他のモデルとペン芯が違うので対象外としても、細いペン芯(100/400/400N/400NN)の製造期間はのべ30年間で、太いペン芯の製造期間は17年間である。
太いペン芯は失敗だったんじゃないのぅ?という疑問が湧く理由だ。
だが、ご安心を! 実際に書いてみると、100N系は非常にインクフローも良く、ペン先の弾力も問題ない。
従って万年筆としては非常に立派な製品だが、、、、径を変えたって事は、やはり細いペン芯の方が良かったのかな、、、ひょっとしてインク漏れが酷かったのでは、、、
戦争による材料不足から精度が落ちて評判も落ちたので、名誉回復の為に、100Nのペン芯を悪者にして、400発売の原動力にしたのでは? などと邪推している。
どうしてもペン芯を細くする理由が見当たらないのだ。機構上はペン芯は大きいほうが有利。
まてよ、ペン芯が大きくなればペン先も大きくなる。金の量も多量に必要になる。
コストカットの為にペン芯を小さくしたのかも?これなら金が安い時代になって大型万年筆がどんどん出てくるようになったのも理解できる。
100Nはコストカットの犠牲者だったんだ、、(勝手な解釈)
ますます100Nがいとおしくなってきた。