この数ヶ月後に、文中に出てきた女性常務にさそわれて、当時のセーラーの社長(中島義雄氏)が主賓の異業種交流会に参加した。
女性常務がさそったもうお一人は、当時の富士通の会長。皆さん気さくな方々で大いに会話が盛り上がった。
ちなみに、富士通の会長は、川口先生が〔最期の一本!〕といって販売されていた螺鈿巻きのプロフィットをお持ちだった。
拙者も、女性常務も、富士通の会長もお持ちだったので、3本は存在したのだろう (*^O^*)
中島義雄氏は、大蔵省、京セラ、船井電機からセーラーの社長になってまもない事もあって、業界や万年筆のことなどを、さかんに拙者に質問された。
ものすごく聞き上手な方だと思ったが、一番驚いたのは名刺交換した人全員の名前を一発で覚えられていたこと。
その中島氏がプラチナの中田社長に非常に感謝しているとおっしゃった。その理由を聞いたところ・・・
〔業界の集まりに行っても、一人も知り合いがいないので困っていたら、中田社長が全員を紹介してくれた〕とか。
後日、中田社長にそのわけを聞いたら、不思議そうな顔をして、〔だって困っていることも、何故困っているのかの理由もわかっているんだからあたりまえでしょ〕と。
これが育ちの良さなのかなとも思ったが、ライバルこそが仲間・・・というのは万年筆を扱う文具業界では一般的な考え方なのだろう。
小さな市場を食い合うのではなく、市場を大きくする努力をするのが大切とわかっているのだ。
拙者もいろんなイベントで対面調整付き万年筆を1,000円〜2,000円で提供しているのもまさにそれ!
10年後、20年後にその購入者の中から万年筆を買いまくる方が一人でも出れば大成功だと思っている!
どう自分を勇気づけても【萬年筆と科學】その57でBlogを書くのは楽しくないので、止めることにする。何も新発見の無い章をまとめてもしかたないのでな。
今回は、趣を変えて【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】の反響をお伝えしてみよう。昨日はおもしろい事があった。
会社の昼休み後、外線からデスクに電話が入った。取ってみると、元外人さんから・・・今は日本に帰化している人。日本語もペラペラ。
【今度ぅ、友人のお祝いに何かプレゼントしようと、ずと考えていたのですが、あのペン!ペン!の本を読んで、萬年筆に決めましたぁ。
でもぅ、萬年筆にぃは好みや、書〜き味というのがあるの知りましたぁ。東京では、どこが買うの良いですかぁ?】・・・記憶通りに書いた・・・
【京都から上京して買うならぁ、丸善オアゾが便利ですよぅ】・・・なんとなく拙者も英語イントネーションの日本語になってしま〜ぅ・・・不思議ぃじゃ。
【おぅ、マ〜ルゼンですかぁ・・・。イトゥヤはどうですかぁ?あそこはダ〜メですかぁ?】
【伊東屋でも大丈夫ですよ。プレゼントなら相手の人を上手に日本語で表現できれば、良い物を選んでくれるでしょう】
【おぅ、ありがと。】
彼は日本語を自由自在には読めないはずだが、それでも【書いた人が皆幸せ】ということは伝わったのじゃろう。
同じパーティで本を差し上げた、女性常務にその話をメールで伝えたら、折り返し以下のようなメールをいただいた。だいぶ略すが・・・
やっぱり、あの本を読むと誰でも万年筆が欲しくなるんですね。
私、ご紹介いただいたアメ横の○■△◎◆に行く前にペリカントレドM700を入手してしまいました。
26日にも○■△◎◆に行って見てきましたがその時は見るだけでインクを買うにとどめました。
その話をしたら友達も欲しくなったらしく、昨日■△デパートの万年筆売り場に行ったそうです。
でもM700もM900も置いて無かったとのこと。
ペリカン日本(株)はアメ横のそばにあるそうですね。
その友達を○■△◎◆に連れて行こうと思っています。
拙者はペリカン日本(株)がアメ横にあるとは知らなかった。萬年筆初心者の人に教わることも多い。
拙者は自分で調整が出来るので、店頭販売されている定番モデルの書き味に変化が出た事などには疎い。
そういう情報は日頃から試し書きさせてもらいながら検討している人の方が情報量が多い。
よく三現主義【現物、現場、
インターネットにへばりついて購入しているだけではダメ。現場に行ったり、現場に行っている人の話を聞かないと時代に取り残されてしまう。
WAGNERの定例会などは、最新の情報が必ず入ってくる。これが貴重じゃ。
情報提供者はその価値に気付かないで、ボソっと言ったことが、蜂の巣をつついたような大騒ぎになることもある。だからエキサイティング!
ともあれ【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】は読んだ人の何倍もの萬年筆愛好家を生んでいるのは間違いない!