拙者はバレンタインで万年筆をもらったことはないが、義理チョコと同程度の万年筆ならもらっても嬉しくなかっただろうな。
一番印象に残っているのは、シガーフライ一本と金色の紙に包まれたチョコボール2個と小さなキューピーが入ったセット。
一体どういう意味か全くわからなかったのだが、回りの人はすぐにわかったらしく、大笑いしていた。30歳くらいの頃だったかな?
ちなみに、シガーフライは岡山の梶谷食品が作っているので、小さい頃から大好物だった。
東京に出てから見かけなくなっていたので、懐かしくてすぐに開けてボリボリ食べたら、さらに笑われた。
これは食べる為の義理チョコではなく、誇らしげに飾っておくものだと。パッケージの裏を見たら〔不倫チョコ〕と印刷してあった。

そういうジョークが許されていたバブルのゆるーい時代。
あのころの金曜日は16人の若い衆を連れて六本木で10店ほどハシゴし、一店でひとりずつ潰して飲み代は潰れた人に払わせていた。拙者は当時は下戸。
さすがに10店目ともなると、朝の4時すぎ。そこまで残っている若者はお酒が強く、誰も潰れないので拙者が払った。
もちろん、潰れて払わされた若者には、後日ちゃんと払った額以上におこづかい渡してました。
そういうのが平気で出来たのがバブル時代。
また部内で全員必須の論文指導もその16人に行い、うち14人が入選以上で1人は優秀論文だった。
そちらに力を注ぎすぎたせいか、拙者の論文が入選どまりだったのは残念だった。
ちなみに、ほとんどは拙者が所属していた課の若手ではなかったので、他の課の課長から〔うちのを指導してくれてありがとな〕と皮肉っぽく言われた事がある。
当時は全く気にしなかったが、自分が課長になってみると、よその課の若手が自分の部下の論文を指導するのは気持ち良くないかも?と気付いた。
上司からは、課長になったらよその課の若手の論文指導はすんなよ・・・と釘も刺された。
これが階層型組織の弱点。今はこんな組織は残っていないだろうな。当時は課長の拙者を管理職1段階目とすると、社長は7段階目だった。
しかも途中を飛ばして報告することは原則として出来なかった。コレでは上下方向とも意志は伝わらない。
下の人間の予算資料を自分の理解できる程度に抽象化して上に報告する。上の人もその上の人に同じように報告する・・・
課長の段階で100頁の資料であっても、経営会議ではEXCELの1カラムの数字。x.x億円。
経営会議では、その隣にカラムのy.y億円と比べて多いの少ないのという議論しか出来ない。
こういう問題を一気に解決してくれるのがAIの世界だと良いなぁ〜。1000人の課長の報告をAIが経営方針として具体化してくれるとか・・・
予算の優先順位を自動的に付けてくれるとか・・・
国家予算もそういうAIで組めば、無駄や汚職はなくなるかも?
今の受験生が社会人になる頃にはそうなっているかもしれない。期待しよう!




今回はParker 45が中心。ずーっと以前、フェンテ会員でParker 45の軸色全てを集めると宣言していた人がいた。どうなったのかなぁ・・・
当時は情報が少なかったので、すぐに集まるだろうと予想していた。しかしParker 45の軸は驚くほどの種類があるらしい。
拙者も一時、変わった色のParker 45だけを集めていた事がある。主として海外からだったが、国内でも古いのけっこう残っていた。
このParker Encyclopediaで紹介されているモデルはスチール製ペン先だが、14金ペン先と10金ペン先のモデルもあった。
かなり硬いニブで、通常はスリットが詰まっている。ところがこのスリットを開くとウソのように書きやすい万年筆に変身するのじゃ。
このParker 45には致命的欠点がある。長い間インクを入れたままにしておくと、首軸内部が溶けて首軸がボコボコに波打ってしまうこと。
それを知ってからは一切インクを入れなかった。
あれほど本数のあったParker 45であるが、今は手元に一本もない。全てお嫁に行った。
2〜3本は残しておけば良かったな・・・・・特に英国製のParker 45は綺麗な軸色が多かった。
スタンダードGTの説明の中に、【腰の強いペン先は、筆圧の強い方に使いやすいと喜ばれています】とある。
筆圧の強い人に、腰の強いペン先の万年筆を与えると、筆圧が低くならないと思うのだが・・・
本来は筆圧の強い人ほど、腰の弱い万年筆を使って、筆圧を下げる訓練をすべき。さすれば万年筆本来の柔らかい書き味も堪能出来ように・・・・・
ともあれ、41頁に朱記してあるように、このセットは入学祝いの定番だった。デパートの筆記具売り場で次から次へと売れていたのを見た記憶がある。
ラピタが【バレンタインに万年筆を贈ろう】と煽ってくれている。2月14日に万年筆をもらう男性は全国で何人いるのだろう?



このクラシックの純銀モデルは、いまだに【Parker 75のボールペン】・・・と誤った解説付きでeBayなどのオークションに出ることがある。これ、すごく使いやすかった!
Parker 75のボールペンはキャップ・ノック式なので、筆記時にキャップが安定しない。ところがクラシックは天ビスノック式。
これは筆記時に全体の剛性が高いので、きっちりとした字を刻むように書くには最適じゃ。
拙者もXFのボールペン・レフィルを装填して愛用しておった。今ならスターリング・シルバーではなく、漆軸が欲しい!
もちろん、この価格ゆえ、工業用漆であるのは当たり前だが、この茶色軸には惚れちまった!
万年筆で最も大切なもは重心だが、ボールペンでは見映え! 茶軸・・・欲し〜い!